9年間販売された日産プレミアムスポーツクーペ「スカイラインクーペ」は今も中古市場で注目されている

日産が誇る名車スカイライン。スカイラインの歴史は長く4ドアセダンを中心に2ドアモデルやスポーツモデルを展開してきました。近年スカイラインはスポーツセダンとしてのポジションを確立しスタイリッシュなデザインとインナーマッスルを鍛え上げられたアスリートのような走行性能を併せ持つモデルへと成長しています。スカイラインのスポーティーなキャラクターはそのままにパーソナルなイメージを強くしラグジュアリー性をプラスした2ドア4シータープレミアムクーペがスカイラインクーペです。今回は2000年以降の生まれ変わった日産のスカイラインクーペの魅力に迫っていきます。

スカイラインの伝統を継承したスポーツクーペ

スポーツラグジュアリークーペであるスカイラインクーペの誕生には2000年から始まった日産再生プロジェクトが大きく関連しているといえるでしょう。2000年にカルロス・ゴーンが日産に来てから始まった日産リバイバルプラン。このプランは新型車を続々と投入し日産の再生を図るプロジェクト。2000年以前、日産がラインナップしていたスポーツモデルはスカイラインGT-R、フェアレディZが代表的なスポーツモデル。スカイラインGT-Rは2ドアのスカイラインをベースとしたスポーツモデル。フェアレディZは2ドア2+2シーターを持つグランドツーリング要素が強いスポーツモデル。この2車種は日産のイメージリーダーとして君臨していました。スカイライン(R34)セダンは2001年で生産が終了、スカイラインGT-R(R34)は2002年で生産が終了、フェアレディZ(Z32)は2000年で生産が終了しリバイバルプランがスタートしました。V35となったスカイラインはスポーティーファミリーセダンとして2001年から販売が開始されました。

Z33フェアレディZは2ドア2シータースポーツカーとしてサイズをコンパクトにして2002年から販売が開始されました。ここで日産の新たなラインナップとしてラグジュアリースポーツクーペを担うグランドツーリング要素の強いモデルが投入されます。それがスカイラインクーペ。2003年にデビューしたスカイラインクーペは全長4,640mm全幅1,815mm全高1,395mm。セダンよりも全長-35mm全幅+65mm全高-75mmとなりワイドで低いスポーティーなスタイル。クーペらしいプロポーションを実現すべくサイズの変更が行われ、エクステリアはスカイラインシリーズのセダンに似ているもののボディパネル、ライト、バンパー、グリルなどはクーペ専用のデザインが与えられ差別化されています。

参考:日産プレミアムスポーツクーペ「スカイラインクーペ」買取専門ページ!

張り出したフェンダーと大径タイヤの組み合わせは踏ん張り感と頼もしさを演出。インテリアはブラックを基調としたカラーリングにシンプルな造形が特徴。パーソナルカーらしくシートの形状はサポート性が高くソファのように厚みがあり座り心地の良いシートが備わっています。乗り心地はプレミアムクーペという言葉がふさわしくしっとりとした上質な乗り心地でロングドライブでも疲れ知らずの余裕と落ち着きがあります。トランクルームは深さが浅く容量はさほど大きくないもののリアシートを倒すことでトランクスルーが可能になり必要にして十分なラゲッジスペースは確保しています。落ち着きのある大人な2ドアプレミアムグランドツーリングクーペとして日産のリバイバルプランのひとつとして新たなラインナップに加わったモデルがスカイラインクーペなのです。

フルモデルチェンジで洗練されたスカイラインクーペ

2003年のV35スカイラインクーペの誕生から4年後の2007年、スカイラインクーペはフルモデルチェンジされV36スカイラインクーペへとリニューアルされました。モデルチェンジサイクルとしては比較的早いタイミングでのフルモデルチェンジとなったスカイラインクーペはV35スカイラインクーペよりもグラマラスなスタイルを身に纏い曲線美と曲面を活かした造形へ生まれ変わりました。プレミアム感を強調したインテリアが特徴的で乗員を包み込むようなトリム、アナログ時計が埋め込まれたセンターコンソールなど上質な演出が随所に見られます。スイッチ類などの操作系はシンプルに整列され飽きの来ないデザインとなっており良い意味で日本車らしくない輸入車のような印象すら感じられます。走行フィールはスポーツクーペとしての素質を持ち、スポーティーな味付けの駆動系、グッと引き締めあげられた張りのある足まわり。きついコーナーでもヒラリとかわすスポーツクーペとなりました。ラグジュアリー性やスポーツ性を引き上げた日産の2ドアラグジュアリークーペがV36スカイラインクーペなのです。2016年まで生産されたV36スカイラインクーペはV35スカイラインクーペの倍以上の9年間販売され幕を閉じました。

ラグジュアリースポーツクーペに乗る

日本市場においてスカイラインクーペはV35スカイラインクーペとV36スカイラインクーペが販売されました。2019年2月現在スカイラインクーペは日産のモデルラインナップには存在していません。よってスカイラインクーペを手に入れたいのであれば中古車を狙う他ありません。2003年以降に販売されたスカイラインクーペの中古車は現在(2019年2月時点)250台ほど流通しています。一般的な車両価格は約15万円~約280万円ほどと幅広く、走行距離や年式、グレード、装備などによって価格が異なっている傾向が見受けられます。これほど数がある中でのオススメは2007年以降に販売されたV36スカイラインクーペタイプSPです。

タイプSPはスポーティーな装備とプレミアムな装備が装着されているためスカイラインクーペのラグジュアリースポーツクーペらしさを存分に味わうことのできるグレード。2007年以降スカイラインクーペタイプSPに絞り込むと中古車市場に50台ほどの数が出回っています。本体価格は約60万円~約280万円ほどです。前オーナーがカスタマイズした車両などは価格が高く、低走行車、状態が良い個体は高価格帯に位置しています。ノーマル状態に近い個体は約150万円ほどでリセールされています。スポーティーで高級感のあるパーソナルクーペが約150万円程度で手に入れることができるのは非常に魅力的。快適なグランドツーリングを楽しむためにもATモデルでゆとりあるドライブをする方がスカイラインクーペのキャラクターに合っているでしょう。中古車市場に流通しているスカイラインクーペの中には修復歴がある個体も出回っています。ボディ剛性の観点、スポーティーな走行や安心感ある走行を楽しむためにも修復歴が無い車両を選ぶようにしましょう。

〈オススメまとめ〉
・2007年以降V36スカイラインクーペ
・グレードはタイプSP
・ATモデル
・修復歴なし

2ドア4シーターの魅力

日本市場において2ドアモデルは売りにくいクルマと言われています。その理由としては、後席へのアクセスのしにくさ、ドアの大きさが大きく狭い駐車場で乗降しにくい、大人数乗ることができない、室内空間が広くないなどといった理由が挙げられます。事実V35スカイラインクーペやV36スカイラインクーペは北米など海外での評判が高く売り上げも海外の方が多いグローバルモデルとして販売されていました(海外ではインフィニティブランドとして展開)。日本市場にはV35スカイラインクーペとV36スカイラインクーペが導入され販売されましたがミニバンやコンパクトカーなどの売り上げが多くスカイラインクーペのようなスペシャリティモデルの売り上げは決して良くはありませんでした。日本では2世代限りで日産モデルラインナップからスカイラインクーペは消えてしまいましたが海外では日産のプレミアムブランド「インフィニティQ60」として3世代目スポーツクーペを2016年に発表しています。

3世代目にあたるインフィニティQ60はダウンサイジングターボの導入やスタイリッシュでスポーティーなデザインが特徴。デザイン性やプレミアム性から日本でも売れるモデルなのではないかと筆者は思いますが2019年2月時点でも日本に導入されていません。いざというときのことを考える日本人のクルマ選びはドア枚数の多いクルマや背の高いクルマを選択することがほとんどです。しかし、日常使いでの乗車平均人数は2人未満という統計結果が出ています。この事からも2ドアモデルでも日常生活にはさほど影響を及ぼすことはないと考えることもできます。所有するクルマは2ドア4シーターモデル、多人数乗車や多くの荷物を積載するシーンではレンタカーやカーシェアを利用するといった使い分けもひとつの手段といえるでしょう。スポーツカーをはじめとした2ドアモデルや2+2シーター、2ドア4シーターモデルは日常使いでは何ら不満はありません。いざというときには大人4人が乗車できるパーソナル2ドア4シーターモデルは思いのほか使い勝手が良く運転が楽しいといった隠れた魅力があります。スカイラインクーペという魅力的な2ドア4シータークーペや憧れのスポーツクーペを改めて見直してみても良いのではないでしょうか。

[ライター/齊藤 優太]